Michael Jacksonの最後の授業。それは『Professionalの仕事』(Find the meaning of my life. )
マイケル・ジャクソン This Is It ラストステージ(スロースターターハウス5)
このお二方の記事ほど深くはないですが、僕が自分の価値観の中心においている”CREATIVE(創造性)”について考えさせられた映画でしたので、そこから感じた事柄についてblog記事にまとめてみたいと思います。
■僕はマイケル・ジャクソンをよく知らない
これは世代的な問題だけではないと思うのですが、僕自身は実はマイケル・ジャクソンの楽曲もライブパフォーマンスもほとんど知りませんでした。それでも分かったこと・・・それはマイケル・ジャクソンとその共演者達のパフォーマンスが”圧倒的”だということです。勿論、彼自身の歌もダンスももの凄いのですが、そういった個のパワーだけではなく、一流のプレイヤーやスタッフ達のスキルと創造性がマイケル・ジャクソンという人を通して一つになり、全く新しい価値を持った作品へと仕上げられていくその様はただただ圧巻した。
この映画には最初から最後まで、その圧倒的なパフォーマンスに感動させられ、真に創造的なプロフェッショナル達の仕事に衝撃を与えられっぱなしでした。マイケル・ジャクソンのファン以外の人が見ても十分に楽しめると思いますし、特に創造的な仕事、プロフェッショナルな仕事をしたいと思っている人にはとても意味ある作品なのではないかと思います。
■マイケル・ジャクソンに陶酔する人々
映像の中でもっとも印象深いことは、マイケル・ジャクソンに熱狂するファン、マイケル・ジャクソンと一緒に踊りたいと切望する若者、マイケル・ジャクソンと一緒に演じることを「世界の頂点」と表現する一流のプレイヤー・・・そういった人々が子供のような目で彼について語る姿です。特に、共演者やスタッフからは彼と一緒に仕事が出来ることを”光栄”だと思っている様がビリビリと伝わってくるのです。
世界トップクラスのパフォーマー、スタッフが「マイケル・ジャクソンと仕事がしたい」といって集まって、一緒に仕事が出来ることに”光栄”を感じて高いモチベーションを維持し、マイケル・ジャクソンその人の持つ世界観を全員が共有し、同じベクトルを保ったまま自らの創造性を遺憾なく発揮していく・・・
そんな究極の創作活動を目の当たりにした僕の心臓は高鳴りっぱなしでした。人の心を動かし、得難い体験を与え、他者の追随を許さない圧倒的な作品を作り上げる・・・そんな彼らを僕は心底羨ましいと思いましたし、表現の形こそ違うかもしれませんが、僕もああいう道を歩みたいと願わずにはいられませんでした。
■This Is Itに見るCreative論/Professional論
普通、リハーサルとは本番の練習的な位置づけであり、本番でうまくやる・・・もっと消極的に表現すれば、失敗しないための場だと捉えられがちだと思います。しかし、This Is Itのリハーサル映像で見られたものは、マイケルと共演者の間でお互いの才能と創造性をぶつけ合い、より高いレベルのパフォーマンスに昇華させていく姿でした。
こういう表現が正しいかは分かりませんが、マイケル・ジャクソンの脳は完全に最高のライブパフォーマンスを生み出すために強化・最適化されており、彼の頭から爪の先まで、そして思考と行動の全てがエンターテイナーとして構築されている様でした。
彼の共演者の多くは、その場所に立つために創造を絶する努力をしてきたのだと思います(そのプロセスを本人達が楽しんでいたとしても)。自分自身が完璧なプレーをするだけでなく、自分と他人の創造性をかけあうことでより高いレベルのパフォーマンスを生み出せる人々が、マイケル・ジャクソンの元に集まってくるのです。
Creativeとは?Professionalとは?
僕の追い求めている命題に対するほぼ完璧な答えがこの映画の中にありました。己の才能、創造性に磨きを掛けた人々が、お互いの創造性を響かせあいながら、圧倒的且つ非日常的な体験を観客に与えるために最高のパフォーマンスを、ありとあらゆる手を尽くし、全力を投じて作り上げるその姿に、尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。ショービジネスの世界であるはずなのに・・・彼らからは商業的な香りが一切感じられませんでした。
Professionalとはどんな時でも最高を求める姿勢であると思いますし、Creativeとは偶然や幸運の産物ではなく、高い創造性の交わるところに産まれるものであると強く確信しました。@kazumotoさんの記事「Michael Jacksonの最後の授業。それは『Professionalの仕事』」に書かれているとおり、僕はこの映像を通して自分の仕事・・・もっと言えば人生を見つめ直すことが出来ました。
僕はマイケル・ジャクソンを良く知らずに生きてきましたが、この映画が僕に与えた影響は決して小さなものではありませんでした。この映画との出会いで人生が変わるかどうかは、今後の自分の頑張り次第だとは思いますが・・・この出会いに心から感謝したいと思います。