http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20376079-2,00.htm
Windows (1) posted by (C)ask0cm5m

私にとって、ビルゲイツは常に憧れの存在であり、彼にまつわるエピソードは心躍る英雄譚だった。
コンピュータが好きで好きでたまらないオタクの少年が身一つで起こしたMicrosoftという会社が、WindowsというOSで世界を席巻し、Officeというアプリケーションでもってその地位を磐石とし、世界一のソフトウェア企業へと成長するその歴史は、やはり史上稀に見る快進撃なのだ。
独禁法すれすれの攻撃的営業手法により、競争相手を完膚なきまでに叩き潰す様は、Microsoft帝国などと揶揄され、その総帥であるビルゲイツに対しても様々な批判が集中していた。
今更Netscapeのビジネスをつぶしたことをどうこう言うつもりはないが、LinuxやOpenofficeなどの無償OS、無償オフィスアプリがでてきた今でも、高価なWindowsとOfficeが圧倒的地位を保っていることを考えれば、一概にMicrosoftだけが悪かったとはいえない気がしなくもない。
(現在はFirefox3、safali、operaといったブラウザがIEの地位を脅かしつつある。)
彼らが時代時代で常に最先端だったかと言えば、決してそうは言えないし、そのビジネス手法に批判がたくさんあることも事実だ。じゃあ、Microsoftの、ビル・ゲイツの功績はなんだろうと考えたところ、CNETに素晴らしい記述があった。
「Henry Ford氏が自動車を発明したわけではないように、Gates氏もコンピュータを発明したわけではないものの、この2人に共通する才能は、製品を普及させる方法を見つけ出したということにある」
・・・思わず納得してしまった。
そう、Windowsはダサいし、不安定かもしれない。最新版のVISTAは駄作だし、2000年に発売されたMeはあれが製品として販売されたこと自体が罪だと思う安定性だった。
それでも、Windows、Officeは一般人に”共通的な言語”を与え、人々が家や会社でPCを使う際に不便だった互換性の壁を取り払ってくれた。いかにダサかろうが、使いづらかろうが、自分のパソコンと他のパソコンがデータをやりとり出来ることによるメリットは大きい。
別に彼らがやらなくても、だれかがやっていたかもしれないし、彼らの独占的な手法が競争を阻害し、IT業界全体の発展を遅らせた可能性も否定できない。それでも、彼らが一番最初に人々が受け入れ、理解し、活用するできるようなパッケージングに成功して、それを普及させるだけの営業力を持っていたということは疑いようのない事実なのだ。
だから、ITを一般化させた功績はやっぱりMicrosoftとビル・ゲイツにあると言って過言ではない。
その後、検索エンジン競争ではGoogleに蹴散らされ、携帯音楽プレイヤーではiPodにZuneで挑んで蹴散らされ、Yahoo!の買収にも失敗した。サーバ分野だって、LinuxにJavaベースが圧倒的に主流だし、xbox360も健闘しているが、Wiiには勝てなかった。WidowsMobileも、今のところBlackBerryに負けているし、iPhoneには抜かれそうな形勢だ。
ビル・ゲイツがMicrosoft去ろうとしている今、明らかに形成は変わってきている。スタンドアローンからインターネットへ。PCからMobileへ。サービスの利用形態は変化を続けている。オープンソース勢の攻勢に耐えかねて、無償化されたMicrosoft製品もある。
ビル・ゲイツが世界で最もIT業界に対して影響力のある人物であることは間違いない。
ゆえに、彼がMicrosoftを去ることにどれけのインパクトがあるかは予測できない。
ただ私が思うに、彼の引き際はやっぱりこの辺りだったのだ。彼の築いたパックス・マイクロソフト時代が終わろうとしている中、その帝国の総帥にも、賢明なる選択が必要だったのだろう。
関連リンク
http://reaf.hamazo.tv/e1282276.html
http://ajapoo.iza.ne.jp/blog/entry/623880
http://www.gizmodo.jp/2008/06/post_3892.html
http://epossy.nassy.jp/e1844.html