下記のエントリーにもあるとおり、「如何にして学習のアウトプットを出すか?」
という点が個人的な課題となっていた。
BLOGを活用した学びのアウトプットについての考察1−一連の流れをシステム化する
BLOGを活用した学びのアウトプットについての考察2−川上(学習の目的)と川下(BLOGのテーマ)を揃える
本書はそんな自分の悩みにいくつかの答えを与えてくれた。
その際たるは、「学習したことをどうアウトプットするかではなく、
そのアウトプットのためにどう学習するのか?」という考え方である。
・身につけるだけの勉強はムダ。こう書くとアタリマエのように思えるが、自分が勉強をする時、本当にアウトプットが目的になっているだろうか?勉強すること自体が目的になっていないだろうか?その勉強はなんの為にするのか?そう自問自答をせずにはいられなかった。
・アウトプットを意識して投資としてやる勉強と
保険としてやる勉強ではその効果に雲泥の差が生まれる。
恥ずかしい話だが、自分は安心感を得るために勉強しているところも多分にあると思う。勉強をしない環境の変化に対応できなかったり、周囲の成長から取り残されるのではないか・・・といった恐怖心からの逃避がないと言えば嘘になる。
しかしながら、実際には仕事のやり方は千差万別だし、必要となる知識も人によって異なり、情報は日々陳腐化し、環境は日々変化し続ける。つまり、我々はそこで必要となる知識・スキルは何かを考え、それらを身につける為の勉強をすべきなのである。
これまでは勉強することが目的となっており、その効果を高めるために「アウトプット」を意識していた。しかし、実際には自分が仕事や何らかの活動(アウトプット)で必要とする知識・スキルがあり、それらを身につける為に勉強をするのである。
その他個人的に良かったなと思う箇所は
・「スクリーンアウト」で先取り時間術
→勉強時間を先に確保しておく。空いた時間にやろうはいつまでもやらない。
成果をあげるものは仕事からスタートしない。時間からスタートする。(byPFドラッカー)
・締め切りタスクは「かたまり時間」に、習慣化タスクは「細切れ時間」に
→締め切りのある作業や、資格試験は先ほどのスクリーンアウトで守っている時間に。
1日30分とか、1日4ページみたいな習慣化タスク(勉強)は移動中等で行う。
・成果につながる本選びの「三つのパターン」
→本を選ぶ基準、買い方について、以下の3パターンが解説されている。
・ある分野について網羅的に学びたい時は「古典とおすすめ本」
・スキルアップのための本は「薄い本&厚い本」
・信頼できる人の本と成功者がこっそり読む本
・「記録を残した人」が偉人になる
→逆転の発想といいますか、これは一つの真理なんだろうなと。
偉人を目指すかどうかは別としても、記録を残しておくことで
・毎日を「書きたいトピック」で満たす
→これは日記の下りにある内容なんだけど、確かに日記やblogを書いていると、
そこにいいことを書きたいという思いから、頑張れることはあるなーと思う。
「いい話を日記に書きたい」こう思って仕事をすると、うやがて自然にそれに見合う働きをするようになる。・日記で成長する三つのポイント
→日記を自らの成長に役立てる為のポイントは以下の3点
1.自分の価値を信じて書く個人的な見解としては、自分自身の価値創造(もしくは価値発見)や、
2.書くことで「PDCAサイクル」を作る
3.「人に読ませる文章」を意識する
日々の生活の振り返りを行い、それらを他者に発信することで、
より自分の情報発信能力、情報伝達能力に磨きをかけ、更には
その情報発信をパーソナルブランディングへと繋げることが
日記及びblog(※)でできるのではないかと考えている。
※ちなみに、私は自分用の日記と他人用の日記(blogやmixi)を
明確に区分している。人には見せられない弱い部分、汚い部分も日記
に吐露することで、自分のマイナスの感情をはき出したり、思考を整理
したりするためである。
本書はどちらかと言えば体系だった勉強本ではなく、著者の増永氏の
勉強に対する考え方をざっとまとめた自己啓発本といった感じ。
アウトプットに対して必要となる知識・スキルの導出方法及び、それらを
身につける為の勉強方法など、具体例はあまり載っていないため、
「これから勉強をはじめたい」という様な人にはちょっと難しいかもしれない。
(言ってることはわかるんだけど、どうしたらいいかわかんない!!って
感じになるかもです。)
また、「歴史小説とビジネス小説以外の小説は現実逃避本」や、
「意識の高い人は朝早く出社できるが・・・」、「会社の近くに住めば
会社に本気度が伝わる・・・」などなど結構個々人の事情や価値観を
バッサリ斬り捨ててしまうような記述は、人によっては受け入れ難いかも。
とはいえ、本書の内容は総じて役立つものでありますし、勉強が目的化
してしまいがちな現代人には是非とも読んでもらいたい一冊である
ことは間違いありません。
勉強をしている人も、していない人も、本書を読んでアウトプット起点の
勉強法を身につけられては如何でしょうか?