6時間+αバレーをした後に横浜に帰ります

それはさておき、この2,3日はいろいろとありました。詳しくは書けないんですが、改めて自分の指導に対する考え方というのを考え直す機会になったと思います。
自分にとって、バレーボールというのは人生の友であると思っています。俺はバレーボールを通してたくさんの事を学び、人としての強さを手に入れたと思っています。今、バレー部にいる子達にとって、すこしでもバレーボールの楽しさを知って欲しい、バレーボールを通してこれからの人生に大切なことを学んで欲しいという思いをもって指導を行っています。もちろん、俺自身がバレーをやりたいというのもあるんですが・・・。
そんな俺の指導スタイルの中で特に重要なことは以下の3点
・3時間の中で3時間以上の練習を
・仲間のために、チームのために
・やるなら全力
ひとつめは「3時間の中で、3時間以上の練習を」です。富田林高校のバレー部の練習時間は、土日3時間と平日2時間程度が2回だけです。平日は定時制の授業があるので、18時までに切り上げないといけないのです。しかも、週休二日のあおりをうけて月曜日は7時間授業なのです。
こういう状況で、強豪チームと戦っていくためには練習時間を一分一秒たりとも無駄にはできないわけです。密度の濃い内容にするのはもちろんのことながら、選手一人一人の意識レベルを高くする必要があるわけです。去年一年は何度も口を酸っぱくして、「しっかり意識を高く持って、3時間の練習の中で3時間以上の成果をあげるよう努力しよう!」と言ってきました。
ただ漠然と「意識を高く持つ」といっても意味がないのでテーマを与えます。一番よくあるのが「声を出す」とか「きびきび動く」とかだと思いますし、後は常に自分にとって何が足りないか、どうすれば上手くいくのかを考えさせるようにしています。(なかなか上手くはいきませんが・・・)
二つ目、「仲間のために、チームのために」です。チームスポーツにおいて、最も大切なことは”仲間を思いやる心”だと思っています。自分が苦労を背負い込んで、少しでも味方に楽をさせてあげるという気持ちを持つことが何より大切だと考えます。
例えば、「あいつのトスが悪いから」とか、「カットが駄目だから」とか言ってるうちはチームが上手く機能することはありません。「どんなカットでも俺が必ず良いトスに持っていってやる。」、「どんなトスでも打ち抜くのがエースだ」と言ったレベルにまで意識を持っていく必要があるのです。
また、チームというのは一つの生き物のようなものです。目標を共有し、全員のベクトルが一致すれば、1+1=2以上という、相乗効果を生みます。しかしながら、目標が共有できず、みんながみんな好き勝手にやれば1+1=1、もしくはマイナスにもなります。
チームとして、全員のベクトルが一致するとはどういうことか?俺はこう考えます「一人一人が、その目標に向かって自分が”チームのために”何をやればいいのかを自覚している状態」25人も人数がいれば、全員が全員試合にでれるわけじゃないし、2年生主体ともなれば、1年生は「どうせ2年生の試合だし」ともなりがちです。
しかし、先ほどの話にもあったように、そうやってチームがバラバラになってしまえば、相乗効果が生まれ無いどころか、マイナスに働いてしまうのです。大切な事は、自分たちの立ち振る舞いがこの先のチームの状態を大きく左右することをわからせること、そして、「チームとして勝利に向かう」という意識を全員が持つことだと考えます。
最後に「やるなら全力」です。これは、1つめと少々かぶるところもありますが、ここで指す「やる」は、バレーボールの練習だけではないということが重要なのです。ここは俺の人生観になりますが、勉強もスポーツも恋愛もやっている人が100%をパイの目上に切っているかというと、一概にそうとは言えないと思うからです。時間は確かに限られています。しかし、時間と内容は比例しないと思うわけです。
良く、クラブと勉強の両立ができないという話を聞きますが、できる人はできているのです。逆に、勉強を理由にしてクラブを辞めたからと言って成績が伸びるとも限りません。よく言われるのが、「1時間集中して勉強することは、3時間だらだら勉強することに勝る」です。バレーもある程度までは同じだと思っています。もちろん、練習時間と技術向上はある程度の比例関係にあることは確かだとは思います。つまり、簡単な式で書けば、y=axとなり、このaの部分を向上させようと言うのが、3つ目の肝だと言いたいわけです。
俺はこういう考え方は大学でも、社会人でも通用する物と思っています。仕事がどれだけ忙しくても、趣味を大切にしたり、スポーツに励んだりする人はいるんです。(職業柄、無理そうな人もいることはわかっていますが・・・あくまで一般論で)そういう意味で、これから先の人生「自分ができる事はここまで」と早々にあきらめてしまうのではなくて、部活も、勉強も、恋愛もやったらいいと思います。もちろん、「やるなら全力で」という条件付きですが。
さて・・・ちょっと長くなっちゃいましたが、俺はこういうポリシーを特に大切な3点に挙げています。もちろん、もっとたくさん言いたいことはあるんですが、生徒に伝えることは、できるだけ重要な事に的を絞って伝えるようにしています。。それでも「話が長い」と言われるのだから、指導というのは難しい。。。ま、口を酸っぱくして何度も言えば、きっとわかってくれる日がくると信じて頑張るのみですね。
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