前回は「
本質を見極める能力」についてエントリーしました。今回はその続きで「インプットの技術」と「アウトプットの技術」について書きたいと思います。
著者:勝間和代
発売元: ダイヤモンド社
価格: ¥ 1,575
発売日: 2007/12/14
おすすめ度
全体の構成は以下の様な感じです。
- 本質を見極める技術(前回エントリー)
- インプットの技術
- アウトプットの技術
- 生活習慣の技術
- 人脈作りの技術
- 上記5つの技術を実践するための行動
今回は2、3について記述したいと思います。
尚、前回も書いたとおり、このエントリーでは本書の内容について記述するものではなく、本書から得た”気づき”やそこから行っている”行動”について記述しています。本書の内容について知りたい場合は、他の書評サイト等をご参照下さい。
2.インプットの技術ちょっと印象的だったのは「フォトリーディング」「マインドマップ」「親指シフト」などのテクニックを
”inputのためのOSとしてインストール”という記述ですね。本来は
インプットの技術という観点でどのテクニックを身につけるべきかを考えるべきなのですが、得てして
”流行のメソッドだから”と飛びついてしまうこともままあります。反省反省。
さて、ここからが本題。
特に印象的だったのは、個人的に最近のテーマである「
メモやノートの整理」と
「デジタル・アナログの使い分け」に関する記述と、
「空・雨・傘」です。
メモやノートの整理/デジタル・アナログの使い分け個人的に紙デバイスが手放せない理由はだいたい下記の通り
- 紙の方が手軽だし、持ち運びも楽だし、電気もいらない
(やっぱり予定やタスク管理は紙でやりたいなぁ・・っと)
- アイデア出しは基本的に手を動かしながらやりたい
(アイデアマラソン、マインドマップ等々。PCでもできなくはない。)
- 人から聞いた話をメモしたり、思いついたことをとっさにメモしたい
(四六時中PCが手元にあるわけではない。) - 一覧性に富んでおり、可読性が高い
逆に情報をPCに入れて置くと便利な点は本書でも度々言われていたとおり
- どれだけデータが増えても物理的にかさばらない
- 手書きよりも早く書ける(議事取りなど)
- 検索やタグ付けでの管理が可能
- データの使い回しが用意(コピペ万歳!)
紙に書いた情報はシステム手帳にでも入れて毎日眺めるか、頑張って整理して検索用の台帳でもつくらない限り、二度と日の目を見ることのない可能性があるわけです。かといって、紙で書いたモノを全てデジタルデータに打ち直したり、書き直したりすることがいいかと言われれば、
めんどくさいこと、この上なしなわけです。でもなぁ、情報を探すときは全てPCから検索をかければいいって形の方が便利なんだよなぁって思案していたところ、この本にヒントが隠されていました。
要するに、
スキャナで取り込んで、OCRかけて、キーワードだけひっかかる程度に読み取りされていれば問題なしって発想。後は、検索にひっかかった画像を直接見ればいいじゃんってことです。まぁ、言われてみればたいしたことないかも知れませんが、かなり実用的なHACKですね。(ちなみに
MVペンや
デジタルペンでも似たような使い方はできると思います。)
個人的に
は取り外し可能なバインダー式ノートを使用して、ドキュメントスキャナ(両面読み込み可能なもの)と組み合わせることで、PCへの取り込み作業はかなり省力化されると考えています。後は、お馬鹿でもいいのでOCRに読みこませて、キーワードだけしっかり見直せばOKです。
もう一点、これは本書とは全く関係ないんだけど、ここにEVERNOTEが入ってくるともう一歩面白いことになるわけです。EVERNOTEのいいところは
- メモも画像もWEBクリップも全部タグ付け管理できる。
- サーバ経由で複数環境がシンクするので、自宅、職場、モバイルなどの複数環境で同じメモを、しかも使い勝手の良い専用クライアントから閲覧・編集可能。
- Win、Mac、iPhone、WindowsMobileなどマルチプラットフォームに専用クライアントが用意されている。
ただし・・・一個だけ問題があって、EVERNOTEの有料アカウントと無料アカウントの双方とも、月にアップロードできる容量が決まっていると言うこと。hmm。プレミアムだとしても500MB/月は自分のあらゆる情報(スキャンされたノート画像など)をアップロードするにはちょっとすくないかもなー。年間45ドルは決して安くないし。。
| 無料アカウント (40MB/月) | Premiumアカウント (500MB/月) |
テキストメモ | 20,000 | 250,000 |
写メ | 400 | 5000 |
WEBクリップ | 270 | 3,300 |
オーディオ | 40 | 450 |
高画質写真 | 11 | 150 |
| 無料 | $5/月 or $45/月 |
逆にメモだけなら別に40MBでも問題ないし
、本当にモバイル・自宅・PCなどで共有したいモノ以外はローカルで使用する設定にしておくなんてこともできるわけです。だから、タグ付けされたノートの画像なんかは全部ローカル環境で使えればいいと割り切ってしまうのも手です。
大事なことは
「集中管理」と
「タグ付けによる整理」が紙デバイスでも可能にのるところですし、それによって忘れ去られる運命にあった数々の記録が、いつでも引っ張り出せるようになるところに価値があるわけです。ちなみにこれはEVERNOTEじゃなくても、
画像やWEBクリップなんかにタグ付けができる仕組みであればなんでもいいと思います。
あと、勝間氏も本書でおっしゃっていましたが、
Googleデスクトップ大先生であれば、
メールからOffice文書、ZIPファイルの中身まで全て検索してくれます。EVERNOTEの中身までは流石に検索してくれませんが、この2つを組み合わせれば
自分を取り巻くノート、メモの類はかなり管理できんじゃないかなーっと、密かに考えています。
空・雨・傘
- 空が曇ってきた (事実)
- 雨が降りそうだ (解釈)
- 傘が必要だな (行動)
ってな具合で、情報をinputする際にはその情報がどれに分類されるのかをしっかり考えましょう、というお話です。特に人に情報を伝達するときに意識すると良さそうです。
3.アウトプットの技術アウトプットの技術の章では6つの要素技術が紹介されているのですが、その中でも特に印象的だったのが「情報の絞り込み、軸の発見」と「ブログに統合して発信する」ですね。
情報の絞り込み、軸の発見
誰かに情報を伝えようとしたとき、簡略化、階層化、フレームワーク化を行うことでより情報の伝達がスムーズにいくようになるという話。ざっとまとめると以下の様な感じ
- 情報を本当に大事なところまで絞り込むことでわかりやすくする
- 情報を整理・分類することで、受け手の情報アクセスを容易にする
- 情報をフレームワークに落とし込むことで全体像を把握出来るようにする
1は言わずもがな、できるだけ余分な情報を省く方が、本当に伝えたいことが伝わりやすくなりますね。2では、情報を意味の固まりに分けたり、前後関係を持たせることで意味連携を取るところがミソだと思います。受け手が読み返したり、参照したりするときの道筋を作る感じですね。3のフレームワーク化のメリットは
前回書いたとおり。全体像をつかむことが出来れば、情報の理解が格段にスムーズになります。
本書の内容ではないのですが、ロジカルシンキングのフレームワークの一つ
「三角ロジック」なんかは文章を巧く構成できない人にお勧めです。
「主張」「データ」「論拠」の三つで文章や資料を構成する方法なのですが・・・例を挙げると
主張:iPhoneにはおサイフケータイがついていないがそれでも売れる
データ:A社の調査によるとおサイフケータイの利用率は2割
論拠:A社の調査はかなり正確だ
では、データと論拠でひとまとめに「根拠」とか「理由」と表現したりもします。元来、主張と理由は一対で、さらに理由には「客観的データ」と「それを主張に結びつける論拠」が必要なのです。ちなみに、その論拠がどの程度確かなのかというのを更に説明するとより論理が強固になります。
主張:A社の調査はかなり正確だ
データ:A社は1000人を無作為抽出して統計分析を行っている
論拠:1000人からデータを取ることで「95%確からしい」結果が得られる
ちなみに、例はかなり適当なので、あまり気にしないで下さい。
三角ロジックについて、詳しくはこのホームページをご覧下さい。
http://www.logicalskill.co.jp/logical/triangle.htmlブログに統合して発信えっと、僕が最近まじめにBlogでアウトプットを出しているのも、実はこの本がきっかけだったりします。
これまで私自身の実感として、
inputされた情報や考えたことを頭のなかにとどめているだけでは中々身にならないという想いがありました。そこで、
自分の言葉で人に説明するためには、そのことを十分に理解している必要があるというのを逆手にとって、
積極的にアウトプットしていくことで理解を進める作戦に打って出たわけです。
また、後でこのBlogを読み返すと、
自分が過去に考えていたことや、そ
の時にまとめた考え方などを参照できるので、結構便利だったりします。(問題は、私の文章が拙く、全然まとまっていないところですが・・・)
そして、もう一点大きなメリットが、
自分の興味分野や専門分野に関するBlogを書くことで、その道の方とお知り合いになるきっかけになります。Hacks For Creative Life!ではそうでもないですが、
Creative For You!ではBlogがきっかけでお知り合いになった方が何人かいたりします。
別にBlogじゃなくったって、ノートにまとめるだけでも全然いいと思います。大切な事は、
情報をインプットするだけでなく、思考、アウトプットを行うことでより理解を深めることですので。
以上、長くなりましたが、次回は最終回、「生活習慣/人脈作り」です。see you!